木質建材事典
単板積層材、構造用パネル、直交集成板、ツーバイフォーランバー、その他
単板積層材、構造用パネル、直交集成板、ツーバイフォーランバー、その他
天然素材としてのよさを活かしながら、より扱いやすい資材としたり、資源の有効利用を図ったりするために、新たな工夫や改良が重ねられている木質材料。
その代表的なものをいくつか紹介しています。
造作用単板積層材
(Laminated Veneer Lumber)
繊維方向を揃える(一般の合板は単板の繊維が直交するように重ね合わせたもの)ことにより、縦方向の強度を重視するよう開発され、米国、カナダで実用化したもの。
日本の合板メーカーもこれを取り入れ、普通合板用のラワン単板を利用して平行合板(通常の合板サイズ)を製造。適当な幅にカットする方法が採用されており、主として家具、建具の材料として使われています。
<用途>
建具の枠材、引出しの見付板などの造作用や、ドア枠などの半構造用、楽器などの支柱部材としての需要開発が行われ生産されてきました。
構造用単板積層材
(Structural Laminated Veneer Lumber)
単板積層材のうち強度を保証し構造用に使われるもの。
構造用単板積層材としては、長期間の耐久性、接着の信頼性が必要です。
<用途>
多様な構造用耐力部材の構成要素として、ボックスビーム、I(アイ)ビーム、トラスのガセットプレートなどとして、梁、桁等に利用されています。
(Structural panel)(Oriented Strand Board(配向性ボード)を含む)
木材の小片を接着剤を用いて接着し熱圧成形等を行ったパネルです。
<用途>
床、壁、屋根の下地などに使われます。
直交集成板
(Cross Laminated Timber)
CLTと称され、ひき板又は小角材をその繊維方向を互いにほぼ平行にして幅方向に並べ又は接着したものを、
その繊維方向を互いに直角にして積層接着し3層以上の構造を持たせたものであります。
構造用の材料として、海外では、一般住宅から、中・大規模施設、高層の集合住宅まで、様々な木造建築物に利用されています。国内においても国土交通省の大臣認定による社員住宅、非住宅のセミナーハウスなどの利用実績があります。CLTについては、各種実証実験、研究が進行中であり、今後、建築物の構造基準の法令が定められれば木造建築への利用促進が見込まれます。
<用途>
・壁材、床材、木構造の耐力部材
ツーバイフォーランバー
枠組壁工法(ツーバイフォー工法)を用いた建築物を枠組壁工法住宅、一般にツーバイフォー住宅と言います。
その構造部分に使用する製材を、「枠組壁工法構造用製材」(ツーバイフォーランバー又は2×4ランバーと言います)、製材とその製材同士をたて継ぎした材料を「枠組壁工法構造用たて継ぎ材」と言います。いずれも日本農林規格にある呼称です。
木質材料としては、以上のほか挽いた板、小片(チップ、フレイク)または木繊維状のものを接着、加圧成形等の加工により様々な工夫がなされ、製品化がすすめられています。
(参考)
単板積層材(構造用単板積層材)について
JASによる区分・品質表示の詳細は木質材料のJASについてページをご覧ください。